上手に注射をするには、まず注射しやすい血管の探し方を学ぶことから始まります。そして、それぞれの患者さんの血管の特徴を知りましょう。特に高齢者や小児患者さんは注意点しなければならないことがありますので、重点的にチェックしましょう。実習での練習機会は制限されていますが、注射上手なナースになるには、やはり練習あるのみです。
上手に採血するには、まず血管を探さなくてはなりません。目で見てすぐに見つかる患者さんもいれば、皮下に隠れて見てもわからない患者さんもいます。そういうときは指の感覚で探してみましょう。しかし、これを習得するには慣れが必要なので、静脈をマッサージして反応をみてみるのもいいでしょう。腕を暖めたり、手を握ったり開いたりしてもらい血流を良くするとみつけやすくなります。それでも探すのが苦手なナースは、採血が得意な先輩ナースのやり方をみて学びましょう。
注射しやすい血管を選ぶコツは、見た目でわかりやすい紫色の血管にこだわらずに、プリッとした弾力性のある血管を選ぶことです。見つけやすい血管であっても、表面に浮き出ているだけで細く弾力性に乏しい血管の可能性がありますので、皮膚に隠れていても太目の血管を選ぶ方が良いと言えるでしょう。太くY字に分岐した部分を刺すと血管が逃げにくく失敗しにくいため、Y字の特徴を覚えておきましょう。それでも良い血管がなかなか見つけられない場合は手背静脈、足背静脈や外頸静脈、大腿静脈などの血管も考慮に入れて探しましょう。
患者さんによっては注射がしにくい方もいらっしゃいます。血管が細くて普通の針では入らない場合もありますし、血管壁が硬く痛みを感じやすい患者さん、または、血管が脆く漏れを生じやすい患者さんもいらっしゃいます。そういった場合、患者さんは注射に拒否反応をおぼえてしまいますので、適切な対処法を覚えておく必要があります。肉体的にも精神的にもケアが大事になってきます。ここではそれらの対処法を紹介していますので参考にしてくださいね。
最近では、看護学生の生徒間での注射の練習が制限されているそうですので、実際には病院に勤務し、患者さんの前に出るまでのオリエンテーション期間に注射の練習をし経験を積んでいくということになるかと思います。そのような限られた時間の中で、血管の探し方や血管の選び方、患者さんの恐怖感のケアなども練習を重ねて慣れていき上達、会得していかなければなりません。それには、何度も何度も練習して経験を積むしかないのだと思います。
注射が苦手なナースは、まずその苦手意識を受け入れ、原因を分析するところから始めましょう。もしかしたら、注射スキルそのものよりも、心理的な要因が関係しているかもしれません。苦手意識を取り除くためには、得意な種類の注射で成功体験を積み重ねることも大切です。患者さんの前では堂々と振る舞うことも意識したいところ。患者さんからの信頼を得ることができれば、注射に対するプレッシャーが軽減されるかもしれません。