採血による血液検査は、健康状態を測る大切な検査です。血液には身体の状態を知る貴重な情報源で、どこか異常があった時などはすぐに血液の成分に異常が見られるのです。生活習慣病や肝臓、腎臓などの内臓の状態も知ることができ、さらには癌の診断も可能となっています。血液がもつ情報量はとてつもないのです。
上記の重要性から定期的に血液検査をすることは大切なのですが、採血に慣れていない患者さんだと内出血による青あざのトラブルが発生するようです。採血後に採血部分を押さえて止血するというナースの指示を無視して揉んでしまったり、しっかりと押さえなかったりということで内出血による青あざができるというものです。採血の時には血管に注射針を刺すので血管に穴があいていることとなり、止血がしっかりとできていないと内出血の原因となるのです。また、内出血は時間がたてば自然に治るので問題ないのですが、「内出血」ということで、採血に失敗したのでは?と文句を言ってくる患者さんもいらっしゃいます。注射の種類によっては揉む場合もあるのですが、採血時は押さえつけるのが正解なのです。
冬場など肌の露出が少ない時期はいいのですが、夏場などの露出の多い時期には人の視線にさらされ、変な印象を与えないとも言い切れません。そういったトラブルを防ぐためにも採血時の止血法をしっかりと患者さんに伝えましょう。
内出血が広がっていくことがありますが、それは地球には重力があるためで、血液が下に落ち、それに伴い内出血も下に広がるということです。腕のほかにも、極端な例ですと、頭を打った場合に頬部分に内出血の青あざができていたりすることがあります。それも同様に地球の重力のせいなのです。また、頭を打ったときにも止血が必要で、頭部の止血点と呼ばれる場所を圧迫することで頭部の出血にも対応できます。
採血時のその他の内出血の原因としては、患者さんが動いてしまったり、高齢者で血管が細い、血管が深く血管が見つけにくい、頭痛や脳梗塞で血液がサラサラになる薬(バイアスプリン、バファリンなど)を服用している場合などです。それらの場合は、止血の仕方による内出血の原因など患者さんに事前に説明する必要がありますので注意しましょう。このように患者さんの精神的不安を事前に取り除いてあげる気遣いも必要になってきますね。