注射しやすい血管選びのコツ

血管選びのコツ

指の感覚で確認

採血に適した血管を中々見つけられない新人ナースの方も多いと思います。血管選びにコツはあるのでしょうか。また、血管選びの際に注意することは何があるのでしょうか。
教科書などには橈骨皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈、前腕正中皮静脈の表にあらわれており、弾力性があり、直線に近く伸びている血管を選ぶと良いと書かれていますよね。しかしありがちなのが、表面に浮き出て見つけやすい細い血管を刺してしまうことです。見えやすい紫色の血管に飛びつき失敗することが初心者に多いようです。紫色に見えているのは、血管壁が薄いことによって血液が透けているためで、実際には弾力性がないことも多いので、若干深いところであっても太めの弾力性のある血管を選ぶべきですね。

血管選びは弾力性とY字

紫色にこだわるよりも、感触が確かな弾力性のある血管であることが重要です。また、血管がY字に分岐した部分を刺すと血管をはずしにくいということもコツです。弾力性とY字を意識して選ぶことを覚えておきましょう。
いずれにしても、針を刺してから血管を探すことは末梢神経損傷を引き起こす原因となるため、針を刺す前にしっかりと血管を見定めておくことが必要です。採血時には、血管や神経の走行も考えておかなければなりません。また、輸液療法を受けている、半身麻痺がある、シャントを造設しているなどの患者さんは、そちら側の血管からは採血してはいけないことも考慮して血管を選ぶべきですね。
そして、血液に薬剤が混入している場合は、検査の結果に影響してしまうこともあります。静脈注射やヘパリンロックをした場合も同じで、血管探しばかりに気をとられていると重大なミスにつながる可能性もありますので注意が必要です。

高齢患者さんの血管探し

高齢者の患者さんの血管探しは、新人ナースに限らず経験のあるナースでも手こずることが少なくありません。高齢者の患者さんは、血管の弾力性が低下し、血管付近の皮下組織が弱くなっていて血管が動いてしまうことや、血管が蛇行していることも原因の一つです。採血には経験を重ね熟練された技術が必要となります。
適した血管が見つからない場合は、手背静脈、足背静脈や外頸静脈、大腿静脈からの採血も選択しに入れるべきです。技術力の向上はもちろんのこと、落ち着いて状況を判断し、できるだけ患者さんに安心して採血を受けていただけるように心がけていきましょう。自信がない場合はあまり固執せず先輩ナースや採血の得意なナースの力をかりましょう。

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