採血をするためには血管を探さなければなりません。パッとみて血管が見つかる患者さんはいいのですが、肥満体系の患者さんなどは中々血管が見つけにくい場合もあります。そのような時には、以下の方法を試してみることをおすすめします。
まずは指で血管を想像しながら探すというものです。指は敏感にものを感じることができますので、感覚がつかめると血管を見つけることができます。感覚をつかむのは「慣れ」が必要となってきますが、コツをつかめばすぐに血管を見つけることができるようになります。
それでも中々血管が見つからないという場合は、静脈を血液が逆流するようにマッサージをしてみるのもいいでしょう。血管をマッサージすることにより血液が逆流し血管が一時的に太くなります。このマッサージ法を行ってみると血管が見つかりやすくなりますよ。
他には、見つけやすい定番の血管を探してみるというのもいいでしょう。まず通常は肘関節の内側を探します。多くは1本くらいは見つかりますが、中には全く見つからない患者さんもいます。肘関節の血管が見えない場合は、腕の血管が全体的に細いか、深くに埋まっているなどの場合もありますので、温めたタオルやお湯で、部分的にではなく腕全体を温めてみましょう。肘関節の正中には見えにくい太い血管が埋まっていますので血管の弾力を感じとり探すのですが、これには少々の経験が必要となります。腕全体を温めてみたら駆血帯を装着して患者さんに、手を「握る」と「開く」を交互にしてもらい、慎重に血管を探します。肘関節から徐々に下の方に血管を探していくことがポイントです。
採血可能な血管が見つかっても、時間が経っているのであれば、駆血帯を一度はずし患者さんを落ち着かせるのがいいでしょう。焦って見えにくい血管を採血してせっかくのチャンスをのがしてしまわないように気をつけましょう。
また手背での採血も行う場合があります。血管の走行が見えやすく安心と考えがちですが、実は血管が細いため皮下出血をしやすい場所でもあります。手背から採血するということは、ほかの血管が見えない状況であることが多く。注射針を刺す角度がほぼ並行で浅目に血管に沿って真っ直ぐ刺すイメージで一気に行うのが出血をしにくいといわれています。また針を抜くときにも出血がともないやすいので止血の確認が必要です。
新人のナースにとっては難易度が高いため、どうしようもない場合は経験のある先輩ナースや採血の得意なナースにお願いして見本を見せてもらい技術を習得することをおすすめします。経験をつみ自分の能力を高めて、患者さんが安心して任せられるナースになるよう心がけていきましょう。
血管を見つけるのが苦手なナースはこういった方法を使って探してみてくださいね。